隊員の日々の活動記録
2026.03.22
アートによるまちづくり
【市川】2026年 1-3月 冬のまとめ ― 移住して9ヶ月―
高鍋町に移住してから9ヶ月が経ち、冬のこの3ヶ月は、これまで積み重ねてきたリサーチや試作が、少しずつ「かたち」として現れ始めた時期でした。
年明けから、活動拠点として海浜公園近くのVIVA CAGUCCIさんの一角をアトリエとしてお借りすることになりました。
制作のための場所であると同時に、人が自然と集まるこの場所で活動できていることに、とても大きな意味を感じています。場を貸していただいているVIVA CAGUCCIさんには心から感謝しています。

蚊口浜に集まる人たちとの何気ない会話や、同じ風景を共有する時間の中で、少しずつこの場所への愛着も深まってきました。海の近くで制作すること自体が、自分の感覚や発想に影響を与えているように感じています。元日の朝には、蚊口浜で初日の出を見ました。

冬のあいだ取り組んできたのが、「タカナベホイッスル」の制作です。
高鍋町の輪郭をそのままかたちにした、小さなアートピースであり、日常ではキーホルダーとして、いざという時にはホイッスルとして機能するものです。
何度も試作を重ねながら、形状やサイズ、音の鳴り方を調整し、持ち歩ける風景としてのあり方を探ってきました。単なるプロダクトではなく、この町の記憶や輪郭を手のひらで感じられるようなものにしたい、という思いで制作しています。

3月には、このホイッスルを美術館にて販売開始しました。
想像以上に多くの方に手に取っていただき、作品を通して少しでも町のことについて話すきっかけが生まれていることを実感しています。
「考える」から「つくる」へ、そして「つくったものが誰かに届く」。
小さな一歩ではありますが、この流れを一年目の中で実現したいと考えていたので、素直に嬉しく感じています。
ここまで形にすることができたのは、美術館の皆さまの継続的なサポートやご助言があったからこそだと感じています。改めて感謝申し上げます。

振り返ると、この冬は、頭の中にあったものが現実の形として立ち上がり、さらにそれが誰かの手に渡っていく、そんな変化のある季節でした。
まだ始まったばかりではありますが、アトリエという場、そしてタカナベホイッスルという小さな作品を起点に、地域との関係性が少しずつ具体的なかたちを帯びてきています。
これからも、この土地で感じたことを丁寧にすくい取りながら、制作と地域との関わりを往復するような活動を続けていきたいと思います。